薬局を地域の健康増進拠点へ ― 厚生労働省モデル事業を見据えた低栄養予防の地域連携を推進

厚生労働省が公募する「令和8年度 地域における医薬品提供体制等の構築・強化に係るモデル事業(事業Ⅱ)」を見据え、一般社団法人在宅栄養ケア推進基金では、薬局を起点とした高齢者の低栄養予防と健康増進の地域モデル構築に向けた活動を進めています。

現在、複数の薬局運営企業や地域薬剤師会に対して具体的な事業提案を行うとともに、自治体にも協力を働きかけ、地域の実情に応じた実施体制の検討・調整を進めています。

薬局を、薬を受け取る場所から健康を守る場所へ

高齢者の低栄養は、筋力や身体機能の低下、フレイル、疾病からの回復の遅れなどにつながり、健康寿命を左右する重要な課題です。

一方、低栄養のリスクは日常生活の中で見過ごされやすく、本人が自覚しないまま進行することも少なくありません。

私たちは、地域住民が日常的に利用する薬局に着目しています。

薬局で定期的に栄養状態を確認し、低栄養リスクを早期に把握することで、必要に応じて医療機関や管理栄養士、介護・地域支援機関などにつなぐ仕組みを構築することを目指しています。

また、低栄養リスクが顕在化してからの対応だけでなく、健康な段階から自分自身の栄養状態に関心を持ち、継続的に確認できる環境づくりも重視しています。

厚生労働省モデル事業を見据えた具体的な取り組み

厚生労働省が公募する事業Ⅱ「健康増進支援薬局の認定制度化を見据えた健康サポート機能を持った薬局の取組みの効果検証等」は、薬局が地域住民の健康保持・増進に果たす役割を検証するものです。

当法人では、この事業の趣旨を踏まえ、次のような地域モデルを提案しています。

  • 栄養状態の定期的な確認:薬局を利用する地域住民に対する栄養チェックと健康意識の向上
  • 低栄養リスクの早期把握:体重減少や食事摂取量の変化などを捉え、必要な支援につなげる
  • 医療・介護との連携:リスクが認められた方について、医師による評価や管理栄養士等の専門的支援につなぐ
  • 地域との接点づくり:薬剤師会、自治体、地域包括支援センター等との連携による住民への周知と参加促進
  • 効果検証と継続可能な仕組みづくり:実施結果を検証し、モデル事業終了後も地域で継続できる運営体制を検討する

複数の薬局・薬剤師会・自治体との連携を推進

現在、当法人では複数の薬局運営企業および地域薬剤師会に対し、本事業の具体的な提案を進めています。

あわせて、自治体に対しても住民への周知や地域関係機関との連携などについて協力を要請し、薬局単独ではなく、地域全体で低栄養予防に取り組む体制づくりを目指しています。

本モデルでは、薬局が健康増進の身近な拠点となることで、地域住民の健康寿命延伸に貢献するとともに、薬局と医療・介護・行政との継続的な連携を促進することを目指します。

地域で継続できる低栄養予防の仕組みを目指して

私たちが目指しているのは、モデル事業の実施そのものではありません。

地域住民が、健康なうちから薬局で栄養状態を確認し、必要なときに専門的な支援を受けられることが、地域の日常になることです。

そのためには、薬局にとっても地域住民にとっても、継続する意義のある仕組みが必要です。

当法人では、これまで培ってきた栄養スクリーニングや多職種連携に関する知見を生かし、薬局・薬剤師会・自治体等との協働を通じて、低栄養予防の社会実装に取り組んでまいります。

現在は申請に向けた提案・調整段階ですが、今後も各地域の関係者と協議を重ね、実現可能なモデルの構築を進めてまいります。

薬局を活用した低栄養予防、健康増進、地域連携に関心をお持ちの薬局運営企業、薬剤師会、自治体等の皆様からのご相談もお待ちしております。


参考:厚生労働省

令和8年度 地域における医薬品提供体制等の構築・強化に係るモデル事業

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76653.html

※本記事は当法人による事業提案・連携調整の活動報告です。厚生労働省モデル事業への採択や実施決定をお知らせするものではありません。